柔道『形』錬修会とは


 『柔道曼陀羅』 

 

 柔道『形』錬修会とは、埼玉県、春日部市の市民武道館で毎週日曜日の19:00~から活動をしている、所属道場の枠を超えて、柔道の『形』の稽古に勤しむ、柔道愛好家達で構成される特殊な活動団体です。

 

 柔道では、昇段における審査の一項目として、実際にそれぞれの段位に於いて、特定の形の審査が行われます。具体的に現在は、以下の通り昇段に於いて以下の『形』が審査されます。

 

初段

『投の形(手技、腰技、足技、までの9本)』

 

弐段

『投の形(手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技、全て15本)』

 

参段

『固の形』

 

四段

『柔の形』

 

五段

『極の形』

 

六段

『講道館護身術』

 

七段

『五の形』

 

八段

『古式の形』

 

改めて、出て来た形の演目を整理すると『投の形』、『固の形』、『柔の形』、『極の形』、『講道館護身術』、『五の形』、『古式の形』、と以上の7演目の柔道の形が、昇段審査と関わるようにして制定されています。この7つの形の演目に関しては、様々な柔道の『形』競技大会などもあります。このような、背景からも、もし、あなたが『興味・関心』が在るのなら、段位に関係なく、『興味・関心』を持った『形(あなたが、関心を持った形の演目)』の稽古を始め、その上で柔道の『形』競技大会へ出場するのも、ありだと思います。

 

(尚、柔道の『形』はこれ以外(上記の7つ以外)にも、後3つ?形の演目が在ります)

 

そもそも、何故、柔道に於いて、『形』が制定されたのでしょうか?

 

『(前略)自分のついた、天神真楊流の先生も、また、起倒流の先生も、いずれも、皆形と乱取りとを合わせ行った人々であったから、自分もこの形と乱取りとを両流に学んだのである。それ等の関係からも当然そうあるべきであるが、また、理屈上から考えても、柔術というものは、決して形、乱取り、両者を併廃すべきものではないと信じたのである。

 なんとなれば、柔道の形というものは、あたかも文章において文法のごときもので、乱取りは、即ち作文の練習のごときものであるからである。即ち文章をかくときに、文法の知識を必要とするがごとく、乱取りにもまた、形を必要とする。いかに文法に精通したとて、ただちに名文が書けないとともに、また、文法を知らずに、むやみに文章を書いても、正しき文章は出来がたい。これと同じことで、柔術においてもまた、形を学ばんでは、どうしても、攻撃防禦のあらゆる方面のことについて会得し、また熟練することは出来がたい。(後略)』

 

 ~人間の記録② 『嘉納治五郎、私の生涯と柔道』、日本図書センター発行 p103-104~

 

上記引用最後の部分、つまり柔道の開祖で、柔術の中興の祖である、嘉納治五郎先生が、

 

『形を学んで、攻撃防禦のあらゆる方面のことについて会得し、また熟練するため。さらには、後進の者たちに会得させ、熟練させるために。様々な形の演目が制定された。』

 

 

つまり、柔術から柔道へ、その歴史的な転換と、柔術から、柔道から、そして後進の者のために、継承されて来た物を遺すという側面も含んで、『形』が制定されました。

 

現在では、『攻撃防禦のあらゆる方面のことについて会得し、また熟練する』という言い回しを

 

(技の)理合を理解する

 

と表現します。

 

こうして、柔道の『形』にまつわる現在の状況と、その歴史的な背景を見てきました。改めて整理すると、柔道の『形』の稽古をする、その理由は少なくとも3つはあります。

 

1、柔道の昇段審査の、形の審査のために

2、柔道の『形』競技大会への参加のために

3、柔道の『(技の)理合を理解する』ために

 

以上のような現実を踏まえつつ、柔道の『形』の稽古をする者は、柔道の会得、熟練を意識し、広く柔道の普及を考え、世代を超えた意味での柔道の継承を意識する。柔道『形』錬修会は、そのような活動拠点の一つであり、集まるメンバーは、以上のような意識のもと、柔道の『形』の稽古に勤しんでいます。

 

最後に、柔道の『形』の稽古と、柔道の『継承』を意識するとは、どういう事か?

以下は、柔道『形』錬修会の面々が掲げている一つの目標であり、一つの目的です。

 

柔道の『形』の演武により、受、取りの相対の関係性の中で、

空間(姿勢、目付、呼吸、間合い、緩急、強弱、気迫、迫真性…)を再現し

『(技の)理合の理解を』再現し、体現する。

 

後進に託すために

 

(追記、補足)

以上、及び、全文は、ホームページ管理人が、『固い』文章で記述をしております。が、現実として『昇段審査』のために、少なくとも、ある程度の『形の稽古』は、審査の合格には必要です。そのような状況の方達への対応もしております。間違いなく、崖から飛び降りる程ではありませんので、稽古の参加を考えた方は、合わせて、以下のページも確認をしてみて下さい。

稽古に参加希望の方、事前に連絡が頂けると幸いです。連絡方法は3通りあります。

 

1、ホームページ下段にある、柔道『形』錬修会、会長の戸井田征男に連絡をする。

 

2、ホームページ下段にある、メールアドレスにメールを送信する。

 

3、以下の、ホームページの『お問い合わせ』から連絡をする。